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暗渠に滴る悦楽と苦悩の雫。 憂いの天使の秘谷に湧く甘露の泉。 存在の罪に震える器官からの分泌物。 魂の最奥の虚に響く水音を閉じ込めた水琴窟。
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月の明るい夜だった。酔い潰れた私は、甲板の端にしゃがんで泣きじゃくる半ズボンを穿いた五歳の少年になっていた。
「坊や、こっちにおいで」
老人に手を引かれて船倉に降りていった。
たくさんの輪が回っていた。
地球儀や黄道儀があった。
牛飼いの娘の体がばらばらの部品に分かれて、そのそれぞれがそれぞれの軌道を回り終えてまた元に戻る機械仕掛けの人形があった。
「おっしっこを漏らしてごらん」と老人はいった。「そのまま、ズボンを穿いたまま」
いわれた通りに小便を漏らした。
老人は嬉しそうに笑いながら、熱く濡れたズボンを脱がせ、下半身を拭いてくれた。
「ああ、可愛い、なんて可愛いらしいおちんちんだろう」
そういって老人は、私の小さな肌色の突起を口に含んだ。
ねっとりとした肉の管の奥へと、ねじれながら吸い込まれていくような、老人の口の中の感触だった。痺れるような感覚に貫かれて、私は全身を震わせながら小便を漏らし続けた。

気がつくとそこは街外れの公園だった。
私はベンチの脚に背をもたれ、両脚を地面に投げ出していた。
ズボンは膝まで下げられ、剥き出しの局部が月に照らされていた。
根元まで濡れそぼったものが、だらりとだらしない姿を股間に晒していた。


 

街道から一本裏手に入った通り沿いの、あばら家のような市営住宅だった。
空家だと思って玄関の引き戸を蹴倒して中に入ったら、住人がいた。
「すみません、すみません! 申し訳ありません!」警察に電話しようとするので必死に言い訳をした。「あんまり寒かったんで、つい。本当にすみません!」
「何いってるんですか、あなた、不法侵入ですよ!」
「空家だと思ったんですよ。夜っぴて歩いて、寒くて、眠くて」
「そんなこと関係ないでしょ、すぐ出て行ってください! とにかく警察呼びますから」
「ちょっと勘弁してくださいよ」
受話器を離そうとしないので腕をつかんだら、女は大きな声を上げた。
「やめてよ、何するんですか!」
面倒なので頬を強く殴りつけた。
女はその場に崩れておとなしくなった。
四十代の半ばくらいだろうか、肌が少し疲れてはいるがマアマアいい女だった。
顔を近づけ、目を覗き込みながら因果を含めた。
「いいか、俺は風の当らない暖かい場所で少し眠りたいだけなんだよ。分かるだろう、同じ人間としてその気持ちは?」
女が何か言おうとしたので引っ叩いた。
女は黙った。
「同じ人間として、俺に屋根のある場所で寝ることを許して欲しいだけなんだよ。権利だとか何とかいうつもりはないよ。ただ思いやりを示して欲しいんだよ。憐れみの心を。困ったときは助け合うのが人間だろ?」そこでもう一発、今度は反対の頬を思い切り張ってやった。「おとなしくしていてくれれば、もうこれ以上乱暴はしない。約束しよう。昼までだ。昼になったら出て行くから、それまで寝させてくれ。いいな。警察に連絡したり、人を呼んだりしないこと。大きな声を出すことは禁止だ。できればずっと黙っていて欲しい。俺が起きるまで外に出ないこと。これだけ守ってくれればいい。分かったな?」返事をしないので、拳を握って見せると、女は黙ってうなずいた。
「よし。じゃあ、服を脱いで裸になって」
女はギョッとした顔をしたが、声は出さなかった。
「そんな顔しなくていいよ。大丈夫、襲ったりしないから。ただ用心のためだから。人を呼んだり、逃げ出したりしないようにさ。分かったら、はい、さっさと脱ぐ!」
女はノロノロと服を脱ぎ始めた。
「よし、そうだ。パンツもだよ。全部脱いで、すっぽんぽんになって。オーケーオーケー。ほお、けっこう毛深いね。いや、いいんだよ、俺、毛深い方が好きだから。って、オラッ! 隠すなよ! よしよし、それでいい。そうしたらゆっくりその場でまわって。うん、きれいだ、きれいだ。じゃあ、いいよ、あとは自由にしてて。寝ててもいいし、テレビ観ててもいいし、好きにしてて。ただし、この部屋から絶対に出ないこと。トイレも我慢できなくなったら、どこか隅っこで済ませておいて。ああ、そこの屑入れを使えばいいな。よし、分かったかな? ハイ、じゃあそういうことで。以上、解散!」
冷蔵庫に入っていたもので適当に食事をして、コタツに入って横になり、目を閉じた。
たちまち深い眠りに落ちた。

乱暴に揺すられて目を覚ました。
手には既に手錠が掛けられていた。
部屋の中には警官がひしめき合っていた。
そりゃそうだよな、と思った。バカじゃなきゃ、警察を呼ぶよな、と。俺だって呼ぶもの。
女は台所で事情を訊かれていた。
当たり前だが、もう服を着ていた。
一発やっておいてもよかったかな、と少し後悔したが、まあでも、やってたら罪状が増えちゃってたなと、これでよかったのだと思うことにした。




地味な顔立ちの女だった。
色白で目が細く、少し浮腫んだような感じがあった。
気の弱そうな質に見えた。
身長は百六十七、八といったところだろうか、仔兎というには少し大柄だった。
腋臭のある女だった。

最初に睡眠薬で眠らせたとき、からだの隅々まで観察した。
三日間穿いたままの下着は表から見てそれと分かるほど恐ろしく汚れていた。
毛深い体質だった。
臍の直下に生え始めた陰毛は幅を増しながら恥丘に至り、肛門の周囲まで密生する剛毛で陰裂を蔽っていた。
毛叢を分けて肉襞を指で広げてみた。
陰核は小さく、小陰唇も未発達だった。
裾腋臭もあり、きつい臭いがした。
肛門には疣痔があった。




欲望を剥き出しにした男の視線によって彼女は裸にされている。
無造作を装って投げ出された肢体には隠し切れない女の媚態が滲んでいる。
赤く火照った頬、熱っぽく潤んだ瞳。
蛞蝓のように互いの舌を絡ませ合った長い接吻が交わされる。
二本の指が差し入れられ、彼女の内部を弄ぶ。
(ダメ、恥ずかしいよ)
甘い声を漏らしながら、彼女は白蛇のようにからだをくねらせる。
せがむように腰を動かし、逞しい腿で男の手首を締めつける。
中を掻き混ぜられる水音が大きくなる。
(出ちゃう)
しぶきが男の掌を濡らし始める。
(出ちゃうよ!)
はしたない叫びとともに、水が噴き出していく。
(見ないで、見ないで!)
自ら求めた恥辱に身悶えながら、彼女は恍惚の顔を浮かべる。



汚辱の記憶を振り払うかのように、私は目の前に立つ髑髏の女を突き飛ばした。
女はニ三歩後ろによろめくと、仰向けにひっくり返った。
全身の形を保つ力が突然失われたかのような倒れ方だった。
崩れ落ちた骨格標本の残骸の中で生白い腰の肉が存在を主張していた。
たっぷりと肉の乗った下腹部と太腿。
湿り気を帯びたような肌理の細かい艶かしい肌。
透けて見える青い静脈。
倒れた拍子に不様に開かれた腿の間には、熟しきった陰部が曝け出されていた。
肛門の周囲から萌え出した褐色の陰毛が陰裂を縁取りながら恥丘の茂みに続いていた。
皮脂の分解された強く鼻を衝く臭いに混じって、尿と分泌物の入り混じった蒸れた性器独特の甘い発酵臭が漂ってきた。
よじれるように腰の肉が動いた。
閉ざされていた陰裂が微かに開いた。
雛先の突起の下に覗けた小さな唇の隙間に一粒の露が光っているのが見えた。
肉がもう一度動いた。
ひくり、と唇が笑った。



俺のすべての「好き」は「セックスしたい」という純粋で性的な情熱に支えられている。
女たちと、男たちと、獣と、樹々と、花々と、空、雲、詩、歌、海、波、風、太陽と!
すべての好きになるものと俺はセックスしたい!
噴き上げる熱い愛と精液をすべての愛するものの奥深くに注ぎ込みたい!




心臓が浮腫んだような嫌な急き方を胸に覚えて眠れない。
深く眠ればそのまま鼓動が止んでしまいそうで怖いのだ。

しっかりと目覚めているわけでもない。
意識は非現実の一点に留まり、
そこで何時間も同じひとつの夢のモチーフを繰り返している。

狭いガラスの水檻に閉じ込められた女がいる。
女は薄いキャミソールを一枚身に着けている。
下着は穿いていない。
俺は水の中で窮屈に折りたたまれた女の姿をスケッチブックに描いている。
女の顔には殴られた跡がある。
肩や腕、むき出しの腿にも紫色の痣がある。
女の顔には見覚えがあった。
女はおまえだった。

胸と額に脂汗が浮かび、だらしなく流れ落ちていく。
誰かがおまえに酷いことをしたのだ。
おまえの目はまったくの虚ろだった。
陰毛はむしり取られ疎らになっていた。
半開きの性器と肛門が赤く腫れ上がっていた。

俺はスケッチブックを投げ捨て、水檻に抱きつく。
おまえの名前を呼びながら裸の下半身を押しつける。
何度も繰り返しおまえの名前を呼んで、荒々しく腰を打ちつける。
心臓が浮腫んだような嫌な急き方する。
乱れた鼓動が止まってしまいそうな発作の気配を感じる。
止めなければいけない。
このまま射精しては危険だ。
そう分かっていても止めることができない。
腰の深いところから痺れるように衝き上げてくるものを感じた、その時だ。
水檻の中のおまえの体がぴちっと裏返るように爆ぜてしまうのだ。
風船が割れたようにおまえの肉体は赤く濁った水の中に皮ばかりを残して消えてしまう。

息苦しさに煩悶しながら俺は寝床に倒れている。
皮膚の下には大量の水が溜まっている。
この水が流れ出してしまえば楽になるのだ。
あと数時間のはずだ。
そうして楽になったらゆっくり自慰に耽ろう。
水檻の中のおまえの姿をスケッチブックに描きながら俺はそう考えている。

Tutti Box v1.0 from Chris Carter on Vimeo.



Tutti Box v1.0
Cosey Fanni Tutti
Chris Carter

Haxan by Benjamin Christiensen



COIL: First Five Minutes After Violent Death + Golden Section

COIL - TAINTED LOVE

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