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暗渠に滴る悦楽と苦悩の雫。 憂いの天使の秘谷に湧く甘露の泉。 存在の罪に震える器官からの分泌物。 魂の最奥の虚に響く水音を閉じ込めた水琴窟。
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地味な顔立ちの女だった。
色白で目が細く、少し浮腫んだような感じがあった。
気の弱そうな質に見えた。
身長は百六十七、八といったところだろうか、仔兎というには少し大柄だった。
腋臭のある女だった。

最初に睡眠薬で眠らせたとき、からだの隅々まで観察した。
三日間穿いたままの下着は表から見てそれと分かるほど恐ろしく汚れていた。
毛深い体質だった。
臍の直下に生え始めた陰毛は幅を増しながら恥丘に至り、肛門の周囲まで密生する剛毛で陰裂を蔽っていた。
毛叢を分けて肉襞を指で広げてみた。
陰核は小さく、小陰唇も未発達だった。
裾腋臭もあり、きつい臭いがした。
肛門には疣痔があった。




欲望を剥き出しにした男の視線によって彼女は裸にされている。
無造作を装って投げ出された肢体には隠し切れない女の媚態が滲んでいる。
赤く火照った頬、熱っぽく潤んだ瞳。
蛞蝓のように互いの舌を絡ませ合った長い接吻が交わされる。
二本の指が差し入れられ、彼女の内部を弄ぶ。
(ダメ、恥ずかしいよ)
甘い声を漏らしながら、彼女は白蛇のようにからだをくねらせる。
せがむように腰を動かし、逞しい腿で男の手首を締めつける。
中を掻き混ぜられる水音が大きくなる。
(出ちゃう)
しぶきが男の掌を濡らし始める。
(出ちゃうよ!)
はしたない叫びとともに、水が噴き出していく。
(見ないで、見ないで!)
自ら求めた恥辱に身悶えながら、彼女は恍惚の顔を浮かべる。



汚辱の記憶を振り払うかのように、私は目の前に立つ髑髏の女を突き飛ばした。
女はニ三歩後ろによろめくと、仰向けにひっくり返った。
全身の形を保つ力が突然失われたかのような倒れ方だった。
崩れ落ちた骨格標本の残骸の中で生白い腰の肉が存在を主張していた。
たっぷりと肉の乗った下腹部と太腿。
湿り気を帯びたような肌理の細かい艶かしい肌。
透けて見える青い静脈。
倒れた拍子に不様に開かれた腿の間には、熟しきった陰部が曝け出されていた。
肛門の周囲から萌え出した褐色の陰毛が陰裂を縁取りながら恥丘の茂みに続いていた。
皮脂の分解された強く鼻を衝く臭いに混じって、尿と分泌物の入り混じった蒸れた性器独特の甘い発酵臭が漂ってきた。
よじれるように腰の肉が動いた。
閉ざされていた陰裂が微かに開いた。
雛先の突起の下に覗けた小さな唇の隙間に一粒の露が光っているのが見えた。
肉がもう一度動いた。
ひくり、と唇が笑った。



俺のすべての「好き」は「セックスしたい」という純粋で性的な情熱に支えられている。
女たちと、男たちと、獣と、樹々と、花々と、空、雲、詩、歌、海、波、風、太陽と!
すべての好きになるものと俺はセックスしたい!
噴き上げる熱い愛と精液をすべての愛するものの奥深くに注ぎ込みたい!




心臓が浮腫んだような嫌な急き方を胸に覚えて眠れない。
深く眠ればそのまま鼓動が止んでしまいそうで怖いのだ。

しっかりと目覚めているわけでもない。
意識は非現実の一点に留まり、
そこで何時間も同じひとつの夢のモチーフを繰り返している。

狭いガラスの水檻に閉じ込められた女がいる。
女は薄いキャミソールを一枚身に着けている。
下着は穿いていない。
俺は水の中で窮屈に折りたたまれた女の姿をスケッチブックに描いている。
女の顔には殴られた跡がある。
肩や腕、むき出しの腿にも紫色の痣がある。
女の顔には見覚えがあった。
女はおまえだった。

胸と額に脂汗が浮かび、だらしなく流れ落ちていく。
誰かがおまえに酷いことをしたのだ。
おまえの目はまったくの虚ろだった。
陰毛はむしり取られ疎らになっていた。
半開きの性器と肛門が赤く腫れ上がっていた。

俺はスケッチブックを投げ捨て、水檻に抱きつく。
おまえの名前を呼びながら裸の下半身を押しつける。
何度も繰り返しおまえの名前を呼んで、荒々しく腰を打ちつける。
心臓が浮腫んだような嫌な急き方する。
乱れた鼓動が止まってしまいそうな発作の気配を感じる。
止めなければいけない。
このまま射精しては危険だ。
そう分かっていても止めることができない。
腰の深いところから痺れるように衝き上げてくるものを感じた、その時だ。
水檻の中のおまえの体がぴちっと裏返るように爆ぜてしまうのだ。
風船が割れたようにおまえの肉体は赤く濁った水の中に皮ばかりを残して消えてしまう。

息苦しさに煩悶しながら俺は寝床に倒れている。
皮膚の下には大量の水が溜まっている。
この水が流れ出してしまえば楽になるのだ。
あと数時間のはずだ。
そうして楽になったらゆっくり自慰に耽ろう。
水檻の中のおまえの姿をスケッチブックに描きながら俺はそう考えている。

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